軟水と硬水の違いの他にも、水には様々な種類があります。どうせなら、毎日手軽に使える水であって欲しいですね。どの水で淹れたコーヒーにはどんな特徴があるのか、また、それぞれの水で美味しいコーヒーを淹れる工夫をご紹介します。
私達の生活で最も身近な軟水は水道水です。日本の水道水は高品質で、そのまま飲んでも安全性が高いものですが、美味しいコーヒーを淹れるためのポイントがいくつかあります
安全性を保つために、水道水は塩素による消毒が行われています。塩素はカルキ臭を伴い、コーヒーの香りが飛んでしまいます。そのため、一度沸騰させてカルキ臭を抜くことが美味しいコーヒーを淹れるポイントになります。
くみ置きした水やポットで沸騰させたお湯は水に含まれる二酸化炭素が飛んでしまい、水本来の味が無くなった状態です。二酸化炭素が適度に含まれている水の方が美味しいコーヒーが淹れられるため、必ずその都度、蛇口から出した新鮮な水を沸騰させて使いましょう。
ただし、朝一番に蛇口から出てくる水は、前日から水道管に溜まっていたものです。朝は水道を少し出しっぱなしにして、そこから水を汲むようにすると安心です。
水道管が古くなると、鉄分が赤サビとなって水と一緒に流れ出てきます。鉄分はコーヒーのタンニンと結合し、コーヒーの味と色を劣化させてしまいます。
ミネラルウォーターはペットボトルで販売されているものが多く、いつでも新鮮な水でコーヒーを淹れることができます。安定した品質が保たれているため、水道水のように塩素を飛ばす煮沸をする必要もありません。
採水地や硬度によって様々な種類が販売されています。淹れ比べて好みの水を探してみるのもいいでしょう。日本の水道水はほぼ軟水なので、硬水で淹れたコーヒーが好きな人は必然的にミネラルウォーターを利用することになります。
ウォーターサーバーは宅配してくれる水で、好みに応じて水の種類と宅配ペースを設定することができます。各社で専用の採水地があり、季節や天候によって変わりやすい水質を一定の品質になるよう管理されているため、高品質な水をいつでも利用することができます。
サーバーには冷水と温水が完備されており、美味しいと感じる温度で出てきます。お湯を沸かす手間なく、注いですぐに飲むことができて手軽です。
オフィスのコーヒー用としてはもちろん、忙しい朝や寒い冬にはありがたい存在となってくれるでしょう。マシンの種類によって設定温度が異なるため、導入前に温度チェックを忘れず行うことが大切です。
日本国内の水道水、販売されているミネラルウォーターの多くは軟水です。カルシウムとマグネシウムの含有量が1Lに100mg以下の水で、まろやかな口当たりでクセが少ないという特徴があります。
コーヒーの成分はミネラルに反応しやすいため、軟水はコーヒーの味に影響を与えにくいという特徴があります。特に苦味成分が現れやすく、コーヒーそのものの素直な味を楽しみたい人にオススメです。
硬水は1Lに200mg以上ミネラルとマグネシウムが含まれている水で、口当たりが重く風味も独特です。ミネラルもマグネシウムもコーヒーの苦味や渋みを引き出す特徴があるので、苦味が際立った味になります。
コーヒーの本場として知られるヨーロッパでは、一般的に硬水が飲まれています。エスプレッソ文化のヨーロッパでは、深煎り豆と硬水で濃縮した苦味を引き出しています。ミルクと砂糖を入れる前提で抽出されており、焙煎の香ばしい香りを楽しむことができます。
軟水と硬水で淹れたコーヒーの違い、分かって頂けましたか?どちらもそれぞれ良い所があるため、淹れ比べて自分好みの味を探してみてもいいでしょう。
参考までに、それぞれの水で淹れたコーヒーはどんな人におすすめかご紹介します。
それでは最後に、美味しいコーヒーの抽出方法についてご紹介します。ゆっくり抽出を楽しみたい時もあれば、手軽に淹れてすぐ飲みたい時もあります。シーンによって使い分けることもコーヒーの楽しみ方の1つですね。
手軽に安く、コーヒーを楽しみたい時にはインスタントコーヒーが大活躍です。粉末状のコーヒーをカップに淹れ、お湯を注ぐだけで飲むことができます。
場所をとらずに手軽に楽しむことができ、近くのスーパーやコンビニなどで手に入れやすいことも大きな魅力です。カップに注ぐお湯は80~90度にすると香りが引き立ち、美味しく仕上がります。
ペーパードリップは美味しいコーヒーを淹れるために、最も手軽でポピュラーな方法です。カップとソーサーの他に、ドリッパーとペーパーフィルター、サーバー、細口のドリップポット、メジャースプーンといった道具が必要になります。
飲み頃になる温度に抽出するために、使用する道具は事前に温めておきましょう。お湯は沸騰させて火を止め、立ち上る泡が鎮まってきた頃が95度前後で、最も抽出に適した温度になります。
ウォータードリップはアイスコーヒーを淹れる時に便利な抽出方法です。コーヒーバッグと水をポットに入れ、冷蔵庫で8時間程度冷やします。途中で水の温度変化を避けるために、なるべく冷蔵庫から出した冷水を使うようにしましょう。
最近はポットの内側にメッシュフィルターがついている専用ポットも販売されています。低温でじっくり時間をかけて抽出するため、スッキリとした味わいのコーヒーになります。
他の方法よりも初期費用が掛かりますが、エスプレッソマシンを使うとボタン1つで挽き立てコーヒーを楽しむことができます。エスプレッソの抽出はもちろん、カプチーノなどのミルクメニューも美味しく作れるので、家庭に1台あると非常に重宝します。
沸騰したお湯でカップを温めておくと、飲み頃な温度のコーヒーを長く楽しめます。家庭用マシンは1~3万円程度と高額ですが、1杯あたりのランニングコストは安いというメリットがあります。コンビニで1杯100円のコーヒーを購入し続けることを考えると、コストパフォーマンスは優れていると言えるでしょう。
フレンチプレスは手順を守れば初心者でも失敗することなく美味しいコーヒーを淹れることができます。予め温めておいたガラスポットに焙煎した豆とお湯を入れてなじませ、金網フィルターを押し下げて抽出します。
美味しく淹れるポイントは、淹れる時のお湯の温度です。豆とお湯を馴染ませる間に少しずつ冷めてきてしまうため、抽出時は92~96度と高めにしておきましょう。カップに注ぐ頃に、ちょうど飲み頃の温度にすることができます。
コーヒーメーカーは最近では本体を無料レンタルし、中身のポーションを購入するサービスもあります。そのため家庭はもちろん、オフィスに設置している所も多くなりました。
タンクに水を入れると自動で沸かし、コーヒーを抽出してくれる手軽なマシンです。ボタン1つでレギュラー、エスプレッソ、カフェラテなど様々なコーヒーを淹れられるのも大きな魅力です。
自宅で美味しいコーヒーが淹れられるようになったら、ぜひ外出時に持ち歩きましょう。淹れたて、挽き立てが美味しいとされるコーヒーを長時間持ち歩くためには、密閉性と保温性がポイントです。
密閉性が優れた商品はコーヒーの酸化を防ぎ、長時間保温できれば風味を保つことができます。最近はオシャレなタンブラーや水筒が多く販売されているので、お気に入りグッズを探してみましょう。
タンブラーは使い勝手が良く、サイズも手頃で持ち運びしやすいのが特徴です。コーヒー器具メーカーが開発した専用タンブラーもあり、内部が2層構造で保温や保冷効果に優れています。
水筒よりも軽量で持ち運びしやすく、デザイン豊富で手頃な値段が大きな魅力です。風味を損なわないうちに飲み切ることができるため、1人で自分好みのコーヒーをゆっくり楽しみたい人におすすめです。
大容量のコーヒーを持ち歩きたい人には水筒がおすすめです。頑丈で機能性に溢れた水筒は、内部がテフロン加工されていたりフレンチプレス機能が付いていたりするものもあります。
テフロン加工はコーヒーの汚れや匂いが付きにくく、いつでも新鮮な風味を楽しむことができます。大口径のものはコーヒーの香りを存分に楽しむことができ、夏場は大きな氷を入れたアイスコ-ヒーを楽しむこともできます。ファミリーやアウトドア派には水筒がおすすめです。
おいしいコーヒーを飲むには水が大切!いつも飲んでいたコーヒーも、水を変えるだけで味が変わります。
さらに水の銘柄や抽出方法、豆の産地などにもこだわれば、楽しみ方は無限大です。ぜひ、ここに書かれた内容を参考に、最高の組み合わせを探してみてください。
自分なりの最高の一杯に出会えれば、心も身体もリラックスすることができますよ。